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お客様を訪ねて・・・   K市 S邸

 住宅街にも自然となじむ、フィンランドの角ログ

 冷たい北風が吹きぬける2月の日曜日。以前に弊社で施工させていただいた埼玉県K市のSさんのお宅を訪ねることができた。住宅街の細い道を進み、角を曲がるとそのログは突然目に飛び込んでくる。S邸はフィンランドの角ログで平屋建て。落ち着いたこげ茶色のウォールは周りの景観にも良くなじみ、静かに住む人の個性を主張している。
 インターフォンを押すと、「こんにちは」と明るい笑顔で出迎えてくださったSさんご夫婦。玄関脇のドッグスペースではチョコラブのキキが歓迎して暴れる音が聞こえている。
早速室内にお邪魔し、ご夫婦から色々なお話を聞かせていただいた。
「この暖かさには驚いています。」と奥様。
「室内は夜、暖房を切っても翌朝15度くらいです・・・
そして、湿度はだいたいいつも40パーセントくらいで、快適です」
ログの保温性と調湿効果というものは本当に素晴らしいものなのだと実感していらっしゃるとの事である。(ちなみに同エリア一般の住宅の我が家の朝の気温は7度くらいであるから、その暖かさは歴然である。)
Sさんご家族はお仕事の関係で世界中を転々として来られた。
そのため、先々ではアパート暮らしが多く、いつか自分の家に住む。家を建てる・・・ということには無意識のうちにたくさんのこだわりがあったのかもしれない。
 求めたものは、頑丈な健康住宅

 なぜ、Sさんはログを選んだのか・・・
 その問いにご主人がこんな風に答えてくださった。
 「この家を建てる事が決まるまでの間の日本の仮住まいの家で、家族がみんな体調悪かったんですよ。アレルギーのような症状が出たり、だるかったり・・・。そしてどうも、その家に使われているクロスや床のビニール等、建材が良くないのではないかと思ったんです」
 特別な測定器などを使って化学物質を特定したわけではないけれど、家族みんなの直感みたいなものでその答えを引き出し、それを結論とする。これはとても重要なことかもしれない。情報過多の昨今、人は皆、何かによって立証されたものによって納得したり、安心したりする傾向は強い。しかし、家族の直感、みんなの気持ち・・・そこに何かを見出す事のできる絆のようなもの。それがいい家を建てる事に結びついていくプロセスは、本来動物が巣を作る時のそれに近い気がするのである。そして、頑丈な家。それなりのローンを組み長く返済していくのに、その途上で地震や台風などで壊れてしまうような家は絶対に避けたい。この2点を家選びの軸にし、たどり着いたのがログハウスだったという。
 穂高さんに出会えて良かった!

 「結果的に私はいい人に出会えた事が、良かったんです」
 自社のことでもあり手前味噌であるが、Sさんがしっかりと語ってくださったことだから、書かせて頂きます。
 「穂高の新井さん、小林さんに出会えたことが、本当に良かった。やっぱりこれからずっと住んでいく家を建ててもらうのに、その会社の方が信頼できなかったらそれは失敗だと思うのです。私はたくさんの疑問をぶつけたし、色々困らせたりもしたと思うのだけれど、とことん応え付き合ってくれた。そして、大工さんも良かった。無口な方だったけれど、真面目で誠実なところがちゃんと伝わってきました」とご主人。ありがとうございました。
 ログを積んでいるシーンで思ったこと・・・

 奥様がこんな風に語ってくださった。
「ログを積んでいくシーンを見ていて、これは本当は私たちがやらなければいけない事なのでは・・・。現実的にはとてもできることではないのだけれど、穂高の皆さんが積んでいるのを見て、お金も払っているから、やってもらって当たり前のことなのだけれど、自分達のこれを人にやっていただいていいのか・・・みたいな感覚があったんです」
 これは生意気な言い方をさせていただけば、奥様もしっかりとこの建物の建築に携わっていたと言うことなのでは無いだろうか。すでに奥様の気持ちはプランナーでありログビルダーであり、そして、前段でも触れたが実に本能的な部分で当事者として巣を作っていたという事なのだと思う。そして建てられた家で奥様は「この家に暮らし方を合わせていこうと思うんです」と率直な気持ちを付け加えてくださった。ログの無垢の木に包まれ、触れたときに、人はそんな風に謙虚な気持ちにさえなれるものなのだろうか。
 ゆっくりとやっていきます

 S邸にはたくさんの未完成部分があるが訪れた人にはさほどの違和感は無い。カーテンだけで仕切られたトイレ。ステンのトップだけであったキッチンなど、説明を受ければ、「未完成なのか」と理解もできるのだが、それらは皆いずれもその時点でのしっかりとした風景を造っている。
 「新井さんに言われたんですよ・・・。ログは5年くらいかけて造ってください・・・って。最初は良く理解できなかったけれど、でも今まさにそんな感じです・・・コツコツと造っているんです。」
 完成した物を引き渡すのが我々の仕事と言えば仕事であるが、引き渡すときのそんな言葉をお掛けできるのもログならではかもしれない。現在木工を中心としたご主人の造作は、ゆっくりゆっくり行われている。S邸が実に心地よい空間なのは、Sさんご夫婦の住み手の気持ちが、隅々にまで感じられるところなのではないかと思う。自然志向の強いお子様達にして「この家だから帰って来たい」と言わせてしまう、この家の魅力は、ただログだから・・・ということだけではない、熱い住み手の息吹があることに尽きるからだと思った。




住宅街の路地を曲がると、ナチュラルにそこにあるS邸。


平屋のログは実に安定感があって美しい。


気持ちの良いデッキには室内の土間から吐き出しの大きな扉がつく。


未完成の部分も残しつつ・・・。


シンプルが使いやすい・・・の図。


バックヤードに収められた、造作に使う木材ラックは息子さんとの共同作品。


気持ちの良い吹き抜けのリビング。


キッチンとは一枚の布地がさり気なく仕切る。


換気扇のダクトはあえて隠さずに・・・。


こんな引き出しもお手のもの。


シンク下の収納はご主人の手造りで完成したばかり。


寝室を暖めるアラジンブルーフレーム。


この天井を見て眠りに着くときが至福の時・・・とご主人。


洗面所の正面は窓。右に自在に角度が変わるミラー。
左に手作りの棚がピタリと決まる。


トイレの仕切りはカーテン。扉を付けるかはのんびりと検討中。


階段を登れば・・・               


それほど広くは無いが、隠れ家チックなロフトもある。


チョコラブのキキちゃんは、まだまだやんちゃ盛り。息子さんが相手をする。


玄関脇に設けられたキキちゃんのスペース。


随所に静かなこだわりが見られるS邸は・・・暖かい。


「帰って来たくなる家・・・」と言うのは息子さん。仕事の都合で週末に帰宅する。







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